【こんなデロリアンDMC-12の中古車が欲しい!】

 デロリアンのDMC-12は映画のイメージが先行し過ぎているせいか、本来の素晴らしいコンセプトが理解されていないように思われます。公道上で遭遇すれば思わず二度見してしまいますし、イベントではバック・トゥ・ザフューチャー世代や子供たちにも人気ですが、実は2018年現在でまだ新車購入が可能ということもあまり知られていません。

意外とお手頃なデロリアンの維持費・車検費用

 私はときおり代官山モーニングクルーズへ足を運ぶのですが、そこによくいらっしゃるデロリアンオーナー歴20年以上の方にお話をうかがったところ、「車検費用なんて7万円で済みますよ。検査料1,600円と税金と自賠責。自分でやればタダみたいなものです」とのことでした。

 デロリアンはどうしても映画のイメージが強いのでタイムマシンの難解な整備をイメージしがちなのですが、普段の軽いメンテナンスを自分でやれる方なら車検費用は7万円程度で済むそうで、さすがに7万円というのは私も驚きました。

デロリアンの中古車相場

 グーネットやカーセンサー(カービュー)などの中古車サイトを見ると、現在4台が売り出されています。価格は799万円から1,000万円となっており、「あれ、意外と高騰してないんだ」と思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか。デロリアンという唯一無二の存在を考えると、決して高くはないとも言えるかもしれません。

デロリアンのコンセプト

 デロリアンが生まれた背景には、自動車会社本位の利益主義がありました。

正規ディーラーで過剰な整備を押しつけられそうになって嫌な思いをしたことがある方
まだ愛着がある車なのに買い換えを勧められて気分を害したことがある方
他でオイル交換をした翌日に車検に持ち込んだら必須項目にオイル交換が入っていた方

等に該当する方は、デロリアンのコンセプトにうなずける部分もあることでしょう。

 そもそも、デロリアンというメーカーを誕生させたジョン・ザッカリー・デロリアンという人物は、「買い換え促進のためのモデルチェンジ」「買い換えさせるための計画的な陳腐化」「不必要で過剰な整備強要」等のメーカー本位の営利主義に反旗を翻した人物でした。

 デロリアン本人はパッカードで研究開発部門のトップとなり、GMに移ってからは最年少でチーフエンジニアとなり、GMの副社長にまでなっていました。しかし、副社長になってすぐ、「やはり今の自動車業界はおかしい」と自らの手で自動車会社「デロリアン」を立ち上げたのです。

 つまり、「メンテナンスフリーでそう簡単に古さを感じさせず、長く愛着をもって乗れる」ような車を世に出したいとの思いから生まれたのが、DMC-12でした。

デロリアンのステンレスボディ

 たとえば、無駄なメンテナンスを排除するために考えられたステンレスボディですが、代官山でお話をうかがったデロリアンオーナーの方は、「ボディなんて本当に楽ですよ、もし何かやる必要があるとしてもせいぜいこれだけでオッケー」と、ステンレスボディの素晴らしさ実演してくれました。

 ボディは塗装がされていない剥き出しのステンレスなのでボディカラーはシルバーですが、世に存在するどのようなシルバーよりも素晴らしいシルバーと言っても良いでしょう。なんといってもヘアライン仕上げがなされている立体表面のボディですから、他社と色味や質感がかぶるということなど絶対にありません。その上メンテナンスフリーなのですから、この点だけでもすでに唯一無二の存在です。

デロリアンとジウジアーロ、ロータス

 このステンレスボディだけでなく、車両のメカニカル部分を開発したのはロータスで、スーパーカー然としたデザインはかのジウジアーロによるものです。この時点でオールスター感が漂っていますが、エンジンもプジョーとルノー、ボルボが共同開発した確かなエンジンを積んでいます。

デロリアンが展示されている自動車博物館

 私は日本に存在するほぼ全ての自動車博物館に足を運んで全車両を楽しんで撮影してきましたが、デロリアンは映画での存在感が突き抜けているため、たとえばお台場にあるメガウェブ内のヒストリーガレージや、長久手にあるトヨタ博物館、そして栃木県の那須PSガレージなど、さまざまなカーミュージアムで来館者を楽しませてくれていました。どこに行っても主役になれる車です。

中古車サイトをチェックするのは楽しい

 現時点ではそう前のめりにデロリアンを購入しようと考えていなくとも、ついつい中古車サイトを毎日のように眺めてしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか。私もそんな一人です。そもそも、中古車サイトの中古車ウォッチングはそれ自体が楽しいです。

 私が現在乗っている愛車はBMWのX5Mですが、もちろんカーセンサーやグーネットに掲載されていたものでした。そこが入口になって購入にいたった個体なので実感を込めて言えますが、中古車サイト上の車両は実際に店舗に問い合わせると、車両説明で掲載されていないこと/掲載できない情報が多々あって驚くことになります。

 私の場合は、

・BMWの最上位オーディオオプションをはじめ、高価・高性能オプションがほとんど未記載だった
・販売店舗が値下げをしたくても中古車サイト上の表記ではおおっぴらに値下げできないので扱いに困っていた

ことが真っ先に挙げられます。グーネットやカーセンサーに出ているデロリアンはどうでしょうか。問い合わせをすることなく、車両写真と車両説明だけでそのような事情まで察するのは至難と言えます。

 「ちょっと相場より高いな」「相場よりやたらと安いな、何でだろう」なんて感じる個体は、是非とも問い合わせをしてみてください。気軽に聞いてみたほうが絶対に良いです。店舗側も事情を話をしたがっていることが珍しくないですし、問い合わせて話をうかがえばうかがうほど、車を選ぶ目は肥える一方です。つまり、それだけ納得のいく中古車選びに近づくということでもありますから。

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